映画『日日是好日』お茶が教えてくれた幸せ。樹木希林の女優人生を飾った穏やかな作品

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2018年9月15日に死去した、樹木希林が出演した最新作映画『日日是好日』。2018年10月13日公開を前に、樹希希林の訃報が伝えられ、監督や共演者たちは追悼の意を表しましたた。主人公たちが、お茶を通して15の幸せを学んでいく。お茶室で繰り広げられる、温かく穏やかな時間をお楽しみください。

日日是好日(出典:Amazon)

映画『日日是好日』

概要

【公開】

2018年10月13日(土 全国ロードショー)

【原作】

森下典子著書『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』

【監督/脚本】

大森立嗣

【キャスト】

黒木華、樹木希林、多部未華子、原田麻由、川村紗也、滝沢恵、山下美月、郡山冬果、岡本智礼、鶴田真由、鶴見辰吾

監督とキャスト

監督/大森立嗣

映画『日日是好日』の監督を務めたのは、映画『さよなら渓谷』でブルーリボン賞を初めとする、数多くの賞を受賞した大森立嗣。

自身でも俳優として複数の映画に出演していたこともあり、父親は舞踏家で演出家の麿 赤兒、俳優・大森南朋の兄でもある。

典子役/黒木華

主人公・典子は、自分の性格に嫌気がさしていましたが、従姉妹と母に薦められて通った茶道教室で、ゆっくりと大切なものを学んでいきます。

典子役を演じているのは、映画『小さいおうち』(2014年)や『母と暮らせば』(2015年)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した黒木華。

武田先生役/樹木希林

武田先生役を演じているのは、2018年9月15日に死去した個性派女優・樹木希林。

樹木希林は、ドラマ『七人の孫』(1964年)にレギュラー出演した後、個性派女優として数多くの映画やドラマ、舞台に出演した実力派女優。

1974年には、ドラマ『寺内貫太郎一家』で老婆役を演じ話題になりました。

当時、樹木希林は息子役を演じた小林明星よりも10歳以上も若い30代前半でしたが、老けメイクを施し、髪を脱色するなど決して妥協を許さない女優魂は圧巻。

美智子役/多部未華子

美智子役を演じているのは、映画『HINOKIO』(2005年)や『青空のゆくえ』(2005年)でブルーリボン賞新人賞を受賞した多部未華子。

映画『日日是好日』あらすじ

典子は、大学に通う間に自分が一生掛けられるものを見つけたいと思っていました。

しかし、何も見つけられないまま時は過ぎ、大学生活は瞬く間に過ぎ去ってしまいます。

真面目だけど、ちょっと理屈っぽくておっちょこちょい。そんな自分に嫌気が差しイラつき始めていた典子。

ある日、母親から茶道教室に通うのはどうかと提案されます。

典子は乗り気ではありませんでしたが、従姉妹の美智子の薦めもあり、美智子と二人で通うことにしたのです。

まずは形から入ればいいのよ、心は後から入れればいいのという先生に、典子はそれは形式主義じゃないのかと、得意のの理屈っぽさで反論しまいます。

しかし、先生は”何でも頭で考えてしまうからそう思うのよね”と、優しく笑って返すのです。

毎週土曜日、ふたりはお茶の何たるもわからないまま通っていました。

卒業を間近に控えたある日のこと。

典子と美智子は、就職について語り合っています。

美智子は商社に就職が決まっていましたが、典子は希望していた就職先が不採用となり、就職するのを諦めかけていました。

お互い、進む道は違えど茶道教室はそのまま続けることに……。

その後、美智子は茶道教室をやめることになりましたが、典子は出版社でアルバイトをしながら、茶道教室に通い2年がすぎた頃。

梅雨時と秋雨では、雨の音が違うことに気づきました。

そして次に、お湯の音と水音の違いにも気づくようになり、苦手だった掛け軸も「絵として眺めればいい」と思うようになってきたのです。

茶道は、がんじがらめの決まりごとが多いもの。しかし典子は、その向こう側に”自由”があることに気づきました。

それから10年。

従姉妹の美智子は結婚し、幸せな人生を送っていく一方で、典子は中途採用の試験にも落ちひとり取り残されていくことに落胆していました。

大好きな茶道にも限界を感じ始めた頃、武田先生は典子に言います。

手がごつく見えるわよ、そろそろ工夫というものをしなさいと……。

そんなある日、典子に大きな転機が訪れることになるのです。

映画『日日是好日』見どころ

本作は、原作者・大森典子の自伝エッセイを映画化し、お茶から15の幸せを学ぶ主人公・典子の心の成長を描いた作品です。

昭和を感じさせる懐かしい路地。

物語の大半が、武田先生の茶道教室で展開されるということもあり、監督は特に茶室のセットにこだわって製作したとのことです。

大きな庭園のある民家の一部を改造し、メインステージに相応しい美しい空間を実現。

庭園を半分以下に縮小し、民家の部屋は使わず増築したのです。

また、余ったスペースで路地を作り、電柱や住居なども作られました。

元々の民家と庭の原型はなくなったものの、そこには穏やかな中にも厳しさと静寂を放つ武田茶道教室の世界が現れたのです。

大森監督や美術の原田満生がこだわり抜いて製作した世界観は、本作最大の見どころといっても過言ではありません。

また、映画界でもこれほど茶道の稽古のシーンを長く描いているものはありません。

稽古中のゆっくりした時間の流れは、典子の周りの人たちの時間経過を対比させるうえで最も重要なアイテムなのです。

武田先生の言う「人生にはすぐにわかるものと、時間を掛けないと分からないものがある。」

映画をご覧になった方は、きっとその言葉の意味を実感していただけることでしょう。

映画『日日是好日』物語秘話

この映画の撮影は神奈川県横浜市で行われましたが、原作者森下典子自身も横浜出身。

作者は、現在も自宅近くにある”武田茶道教室”に通い続けてるのです。

また、主演の黒木華や樹木希林は茶道未経験で、多部未華子は幼少時代に少しだけかじった程度。

短い期間で集中して稽古したという3人の上達ぶりは圧巻のものだったようです。

茶道を通じて学ぶ大切なもの。それは黒木華、樹木希林、多部未華子の3人も主人公と同じように学んだのかもしれませんね。

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

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